「FinTech実証実験ハブ」支援決定案件の実験結果について -金融庁-

金融庁では、フィンテックを活用したイノベーションに向けたチャレンジを加速させる観点から、平成29年9月21日、フィンテック企業や金融機関等が、前例のない実証実験を行おうとする際に抱きがちな躊躇・懸念を払拭するため、「FinTech実証実験ハブ」を設置しました(FinTech実証実験ハブの設置について)。
今般、本スキームにおける支援を決定した第3号案件(平成30年5月7日公表)の実証実験が終了し、その実験結果について、お知らせします。

実験概要
(実験内容)
現状、金融機関では、営業員が作成した金融商品販売時の応接記録や顧客から寄せられる様々な声(意見・申し出)の記録が数多く作成・蓄積されており、それらの記録におけるコンプライアンス違反のチェック及び顧客からの苦情等の抽出に係る確認業務を行っている。本実証実験では、そうした記録一つ一つ(銀行では応接記録、証券会社では顧客の声)に対し、人工知能(AI)がスコアリングし確認の優先順位付けを行うことで、確認業務を効率化・高度化できるかを検証。

(実験期間)
平成30年5月から6月まで

(参加金融機関等)
株式会社FRONTEO
株式会社三菱UFJ銀行
株式会社りそな銀行
株式会社横浜銀行
SMBC日興証券株式会社

結果概要
本実証実験では、以下の流れでAIを活用することにより、応接記録の確認業務を効率化・高度化できるかを検証。

マル1 AIが全ての記録を解析し、注意すべき記録や苦情の記録に高いスコアを付与(一次確認)。確認担当者はスコアの高いものから優先的に確認(二次確認)。

マル2 AIによる優先順位付けの上での確認方法(新方法)と、優先順位付けを行わない確認方法(現行方法)で対照実験を行い、リスクのある記録の検出率や、確認にかかる時間を比較。

本実証実験の過程で、例えばAIによる判定基準や学習済みモデルの信頼性等に関する検証を合理的な方法・間隔で行う等、適切な運用がなされているのであれば、法令・監督指針上、金融機関による確認業務に関し、AIによる一次確認を介する運用を行うことに特段の問題はないと考えられる旨を、金融庁から回答。

上記の実証実験の結果、AIを活用する新方法は、現行方法に比し、確認業務の精度は同等以上を維持した上で、短時間でより多い確認業務を完了でき、AIの活用が確認業務の効率化・高度化に資する可能性があることが示された。

今後、金融機関による確認業務にAIを適切に活用することにより、金融機関の業務の生産性向上等が期待される。

※ 参考
PDF本実証実験の概要
参加金融機関等における実証実験結果に係るニュースリリースリンク先
http://www.fronteo.com/corporate/news/uploadfile/docs/201807ftchub.pdf新しいウィンドウで開きます (株式会社FRONTEO)
https://www.smbcnikko.co.jp/news/release/2018/pdf/180801_01.pdf新しいウィンドウで開きます (SMBC日興証券株式会社)

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)

総合政策局  総合政策課(内線2417、2918)
転載元:金融庁 報道資料

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする