【丸の内AI倶楽部コラム】イノベーションハブを狙うデンマーク
~EUの隠れたIT大国~

 6月7日(金)に、デンマーク外務省、駐日デンマーク大使館とともにデンマーク人工知能セミナー『デンマーク人間中心AIセミナー』を開催させていただくこととなりました。セミナーにご参加いただきます方も、参加できない方にも、デンマークの魅力をお伝えできればと思います。

 ところでデンマークというと、みなさんはどのようなことを思い浮かべるでしょうか? ヴァイキングの国であるとか、レゴや人魚姫を思い浮かべる人もいるでしょう。他にも社会保障や現代デザインなどで有名です。そして最近では、AIなどイノベーティブな分野でも取り上げられることが多くなってきました。

 AIやIoT分野において、デンマークが注目されるのは、第一にデジタル産業を支えるインフラが整っているという部分です。EUで最も進む行政サービスのデジタル化。デンマーク版マイナンバー制度を基盤として、企業、研究所、市民までが参加し、巨大なデータが蓄積されています。こうした情報は公的機関の承認さえあれば、海外の研究者や企業でもアクセスが可能です。

 また、市民単位でこうしたイノベーションについて理解し、積極的に参加していこうという姿勢があります。これは、デンマーク国民の社会に対する安心感や信頼感が高いことと、年齢を問わずIT技術に関する教育を受けられたためです。そのため、多くの海外企業が巨大なオープンデータを求め、デンマークへ進出し、医療やバイオ、スマートシティなどの形で花開こうとしています。

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 上記のようなデータ流通のインフラ整備以外に、デンマークは再挑戦のしやすい環境づくりにも取り組んでいます。デンマークでは企業の設立が非常に簡単で数時間で登記が完了するそう。また、解雇規制も緩く撤退も簡単にできます。ビルドアンドスクラップで成功するまで挑戦するという文化が根付いるのです。その一方で労働者側も失業保険や職業訓練などが充実しており、労働者にとってもリスクの少ない制度設計がされています。日本企業もデンマークに投資することで、こうした社会基盤の上で、イノベーションの種を育てることが可能なのです。

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 オープンデータや柔軟な労働環境は、市民の高いリテラシーと、社会参加意欲によって成り立っています。もちろん厚い社会保障によって年齢を問わず教育の機会を受けられることもありますが、日本人とは違う独特の職業観や生活観が根底にあり、ユニークな活動へとつながっているのでしょう。大変興味深い国ですので、ぜひセミナーにご参加ください。

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